小学校が酒蔵に。
オール菊池で世界を目指す

 「菊池水源小学校」跡地。かつて子どもたちの歓声が響いた校舎は今、甘い米の香りで満たされています。
 1752(宝暦2)年に細川重賢の命を受けて酒造りを始めた「美少年酒造」は、全国にその名を馳せるほどの酒蔵でした。「火の国酒造」と名前を変え、紆余曲折を経て酒造事業を撤退することとなった同社から、事業を譲り受けたのが現在の蔵主です。新たな「株式会社美少年」を設立した2013(平成25)年。それは「菊池水源小学校」が137年の歴史に幕を閉じた年でもありました。廊下に沿って教室などが連なる構造は、酒造りにおける全ての作業工程を一直線につなぐことのできる間取り。給食室には甑や放冷機が置かれ、洗米と蒸米の工程を。隣の校長室と保健室は壁や天井に杉板が張られ、麹室となりました。職員室などがあった場所には大きな巨大タンクが並びます。廊下には充填とラベル貼り用のラインがずらり。外観は学校なのに、中身は酒蔵そのものというなんとも不思議な空間です。
 この場所で、新たな「美少年ブランド」の構築に取り組むのが若き蔵人たちです。
 「菊池は日本有数の米どころ。菊池渓谷の清水にも恵まれています。菊池の水と米、菊池生まれ、菊池育ちの人たちで醸した、“オール菊池”の日本酒をつくることに意味がある。世界が唸る酒をこの場所から発信したいと思っています」。その言葉が、ついに現実のものになる日がやってきました。菊池のお米で醸した「清夜」,「純米吟醸菊池」がフランスの「Kura Master」で受賞し、それに続いて「大吟醸菊池」が日本国外で最も歴史のある日本酒品評会「全米日本酒歓評会」で見事、金賞を受賞したのです。「お酒が苦手な方でも飲みやすいフルーティな味わいのお酒です。これからも世界を見据え、美少年の味を追求していきたいと思います」。

株式会社美少年

〒861-1442 熊本県菊池市四町分免兎原1030 
TEL 0968-27-3131 FAX 0968-27-3133
http://bishonen.jp/

創業/1752(宝暦2)年
代表者名/千堂敬一郎

【主な使用原料】
米:菊池産ヒノヒカリ、華錦など

【主な受賞歴】
Kura Master2019プラチナ賞(清夜)、金賞(純米吟醸菊池)、平成31年熊本国税局酒鑑評会優等賞(大吟醸菊池)など

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