熊本の酒に欠かせない、水と米

県内に1000ヶ所以上の湧水源。水の恵みが支える、蔵の味

 「火の国」と呼ばれる熊本ですが、実は地下水に恵まれた「水の国」でもあります。降雨量が多いことや水を蓄える森林の多さ、さらには水がめの役割を果たす地下水盆の存在がその理由。熊本県内全域を見渡すと、湧水源はなんと1000ヶ所以上にのぼり、熊本県民の生活用水の約8割が天然地下水でまかなわれるほどです。軟水や硬水など、ポイントによって異なるタイプの水が湧き出しているのも、熊本県の水の特徴です。県内各地の蔵元で生まれる個性豊かな酒は、こうした水の恵みに支えられています。

あちらこちらで湧き出す湧水や清流に恵まれた熊本。
熊本の酒蔵はそうした水の源近くに点在している

熊本の清酒界に新風を吹き込む県初のオリジナル酒米「華錦」

 酒を造る上で必要なのは、粒が大きくしっかりとしていて精米しやすく、ほどよくきれいに溶ける米。このように酒造りに適した性質を持っている米を、「酒造好適米」と呼びます。14年の歳月をかけて開発された熊本県初のオリジナル酒米「華錦」がまさにそうです。酒米の最高峰「山田錦」と、県の育成品種で倒れにくい「夢いずみ」を掛け合わせることで、酒蔵にとって仕込みやすく、農家にとって育てやすい米となりました。淡麗辛口から、芳醇タイプまで醸す味わいも幅広く、熊本の清酒はさらにおいしくなりそうです。

玄米が大粒な華錦。心白が大きくしっかりしているため、
磨きをかける吟醸酒の仕込みにも従来の掛米品種より適している

山田錦(上)と華錦(下)の稲穂の比較。山田錦よりも穂長がやや短く、倒れにくいため、
栽培しやすいといわれる

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