本格焼酎のメッカともいわれる熊本。
「常圧蒸留」でつくられる伝統的な味わいの焼酎や、現代人の好みに合わせた「減圧蒸留」焼酎など、
味わいのバリエーションが豊かなのも特徴です。
九州の中央に位置する熊本は九州北部の麦焼酎や、大分・宮崎で盛んなそば焼酎、鹿児島の芋焼酎など、九州各地の焼酎文化が交わる土地です。そうした風土を反映してか、ひとつの蔵で米や芋・麦といった異なる原材料を用いた焼酎を手がける蔵もたくさんあります。さらに、樽独特の風味を味わう樽仕込みの焼酎や、昔ながらの甕仕込みにこだわる蔵なども。ひとところでこれほどまでに焼酎のバリエーションを味わい尽くせる土地もめずらしいのではないでしょうか。
※蔵元や造る焼酎のタイプによって異なります。
1. 洗米(麦)・浸漬
米や麦などを仕込み水で洗い、必要に応じて水に浸す。
2. 蒸し
甑と呼ばれる巨大な蒸し器に米を入れ、一気に蒸し上げる。
3. 製麹(せいぎく)
蒸米を程よい温度に冷まし、麹菌を植えつけて麹室に寝かせることで、
発酵に必要な麹を育てる。
4. 発酵(1)
甕やタンクに製麹した麹と水と酵母を加え、
酵母を入れて混ぜ合わせ、酵母を培養。一次仕込みとも呼ばれる。
5. 発酵(2)
発酵(1)でできた一次醪に、
主原料となる米や麦、芋を入れて数日間発酵させる。
6. 蒸留
発酵(2)でできた醪を単式蒸留器で蒸留。
蒸留したい液体に熱を加えて蒸気を集め、
冷やして液化する「常圧蒸留」に対し、
蒸留器内の気圧を下げて蒸留する「減圧蒸留」がある。
7.ろ過(1)
蒸留して取り出した原酒には、フーゼル油と呼ばれる成分が含まれ、
うま味の元にもなるが多すぎると独特のにおいや雑味の原因になるため、
ろ過で適度に取り除き、香りや味わいを調整する。
8. 貯蔵・熟成
蒸留したばかりの焼酎を一定期間貯蔵することで、味わいを丸く安定させる。
9. ろ過(2)
味の決め手となる工程。
原酒が同じでもろ過する回数の違いで銘柄が変わるほど、仕上がりに影響する。
1度もろ過を施さず、うま味を残す無ろ過焼酎なども。
10. 割水(わりみず)
原酒の場合、40度前後のアルコール度数があるため、
仕込み水を加えて酒質とアルコール度数を調整する。
複数のタンクで貯蔵した原酒をブレンドし、味わいを調整するケースも。
11. 瓶詰め
できあがった焼酎を瓶に詰め、出荷する。
熊本酒造組合
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